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TREE通信 No.50

執筆者の写真: 自費訪問リハTREE自費訪問リハTREE

歴の上に春は立ちながらも厳しい寒さが続いております。皆様は温かくお過ごしでしょうか⁉ こんな季節はお風呂で芯から温まりたいですよね‼ そこで、今回は 「入浴の際の注意点」 についてご紹介しております。ご参考になれば幸いです❦❦❦


高齢者の入浴中の死亡事故は年々増加傾向にあります。入浴中の急死・急病の原因は、心肺停止、脳血管障害、一過性意識障害(失神)、溺水・溺死とされており、入浴事故は冬期かつ寒冷地域に多く、心肺停止は自宅浴室での発生が多いようです。日本特有の入浴様式(浴槽につかる)が入浴事故の誘因とも考えられており、社会的背景には高齢者の人口比率の増加、核家族化の進行や内湯の普及などがあげられています。


温熱作用と静水圧作用

浴槽につかると温熱効果によって末梢血管が拡がり、血流が脳や心臓等から末梢血管に移動します。一方、身体(腹部から下半身)に水圧(静水圧)がかかると、心臓に戻る血液量が増し血圧上昇や心拍出量増加が起こります。これら臓器血流の再分布は、高齢者では虚血症状が起こる原因となり、浴槽内で立ちあがると急激に静水圧が解除され、心拍出量が低下して失神やめまいが生じることもあります。それによる転倒事故や溺水にも注意が必要です。


血圧変動

寒い脱衣所では急激な血圧上昇が起こり、脳出血のリスクが高まります。その後の温浴効果によって血圧は下降、脳や心臓、消化管など重要臓器の血流低下を招き、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高くなります。日本人に多い長時間の高温浴は発汗による脱水や血液凝固亢進状態を起こし、さらにリスクを増大させます。血圧低下は湯温にも影響され、高温浴(42℃)では出浴後の血圧低下が約12時間持続するともいわれています。血圧低下が長時間持続するため、出浴後も脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高くなる傾向にあります。


入浴事故予防の注意点

・入浴前に脱衣所や浴室を暖め、出入りの際の温度差を少なくする

・浴槽は浅め(あるいは水位を低く)で半身浴が望ましく、縁に手をかけておく。

・ぬるめの温度(39~41℃)で、長湯しない

・一日の中で体温が上昇し、血圧の安定する16時から19時頃までの入浴が望ましい

・血圧下降の原因となるような飲酒や食後の入浴、入浴中の急激な起立は避ける

・高齢者が入浴しているときは、家族や周囲の人が声かけする

・単身者の場合、出浴時に浴槽の栓を抜く習慣をつけるのも溺水の予防となる  

・入浴前後は水分を補給する


よろしければ「サンデー北九州(2/1号)」のコラムもご覧ください‼

 
 
 

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