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TREE通信 No.42

 色とりどりの紫陽花に梅雨の訪れを感じる季節となりました。皆さんは紫陽花のどの色がお好みでしょうか⁉さて、今回は、先月の「疲労の基本的なメカニズムに」続き「様々な原因によっておこる疲労①」 について、ご紹介致します。

 ご自分のペースで楽しい毎日を過ごしていきましょう❦❦❦

 

現代社会がもたらす疲労

 現代は、スマートフォンやテレビなどによって日々あらゆる情報を受け取っています。私たちが一日に触れる情報量は、江戸時代の一年分、平安時代の一生分とも言われています。そして、それらの情報は視覚、聴覚を通じてすべて脳に伝達され、必要の有無を取捨選択しています。そのため、私たちの脳は気付かないうちに疲労が蓄積しています。また、リモートワークや長時間のデスクワーク、仕事での人間関係から受ける精神的苦痛などから疲労を感じることもあります。

 

<情報過多による疲労>

 情報過多による疲労は「脳疲労」と呼ばれ、情報が溢れる現代社会の問題となっています。通常、伝達された情報は脳で処理を行い、必要な情報とそうでない情報に分けられていますが、その中心となるのが「前頭前野」が担うワーキングメモリという働きです。ワーキングメモリは、入ってきた情報を一時的に脳に保持し、優先順位をつけて処理をします。しかし、ワーキングメモリが同時に処理することができる情報は約5~7個と言われており、それほど容量が多いわけではありません。そのため、一度に多くの情報を取り入れる環境にある現代は、ワーキングメモリの容量が不足することで、脳疲労が起こりやすいと考えられます。その結果、集中力が欠ける、ミスが生じやすくなるなどといった症状はこの脳疲労が原因と考えられます。

 

<ストレスによる疲労>

 長時間のデスクワークでほとんど動かないにもかかわらず、一日の終わりに疲れを感じることはないでしょうか。これは、長時間同じ場所から動かないことで生じる肉体的ストレスに、仕事のプレッシャーや人間関係などの精神的ストレスが加わることで、交感神経が刺激され続け、自律神経が乱れ疲労を感じるようになると言われています。

 また、日常のストレスにより不安や恐怖などを感じると、側頭葉の内側にある「偏桃体」の働きが活発になります。偏桃体は情動と感情の処理や直観力、ストレス反応の役割を果たしており、主に不安や緊張、怒りなどのネガティブな感情に関わっています。偏桃体は前頭前野により制御されており、ストレスが加わると前頭前野が偏桃体の働きを抑制し、情緒を安定させようとします。しかし、過剰なストレスにより偏桃体が働き続けると、前頭前野の制御が聞かなくなり、些細なストレスにも過敏に反応し、慢性的なストレスや脳疲労を招くと言われています。

 


*ストレスが疲労を感じさせないこともある!?*

脳がストレスを感じると副腎からコルチゾールとアドレナリンというホルモンを出すよう命令します。コルチゾールは、炎症性サイトカインの産生を抑制し、疲労感を減少させますが、アドレナリンは、体の活力をみなぎらせる働きをもちます。つまり、心身の負荷に対して、「休め」というシグナルを出す疲労感とは逆で、ストレスを感じた脳は「もっと頑張って!」と応援のシグナルと出します(ストレス反応)。心身ともに疲労していても、ストレス応答が働いていると疲労感が抑えられ、疲れはあまり感じられません。しかし、ストレス応答が働かなくなると疲労感が増大します。これが大きな仕事、責任から解放された時や週末にどっと疲れがでる要因です。


よろしければ「サンデー北九州(6/1号)」のコラムもご覧ください‼

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