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12月を迎え普段通りの寒さに‼これまでが暖かすぎたせいか体調を崩される方が増えています。年末となり、お忙しいでしょうが、体調にはくれぐれもお気を付けくださいね。さて、今回は『家での看取り』をテーマに私が経験した父のことを少しご紹介させて頂きます。
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私の父は肺がん発症と同時に腎臓・甲状腺にもがんが見つかり、手術で治療しながら在宅療養しておりました(原発巣:肺)。発症から約1年半後2度目のPET検査で肺がんの再発、頸椎・胸椎・腰椎・胸膜・副腎への転移がみつかりました。主治医から、治療しなければ半年、治療すれば2年と余命宣告を受け、抗がん剤治療を選択し入院しました。治療開始直後より呼吸状態が悪化し、ARDS(急性呼吸促拍症候群)を発症。同日、介護保険の認定調査の予定でした。私も同時間仕事の合間を利用して洗濯物を届けに病院へ。医師から急に呼ばれ、延命するかどうか直ぐに決めてほしいといわれました。その場で母や弟へ電話し、これまで頑張ってきた父をこれ以上傷つけたくないと、葛藤はありましたが心肺蘇生や気管切開は望まず、それ以外でできる治療をお願いしました。数日間厳しい状態が続きましたが、病院スタッフの皆様のお陰で父は一命をとりとめました。しかし、医師からの説明は自宅には連れて帰れないという厳しい内容でした。母が数日でも数時間でも家に連れて帰りたいと…私たち子供も同じ思いでした。時間がないため、早急に準備が必要とのことでケアマネージャーやかかりつけ医への相談は私自身で行い、退院前カンファレンス、自宅には介護用ベッド、車いす、酸素濃縮器等を準備しました。家に戻ってからは、水素療法等を追加し、少しずつ車椅子→歩行器→独歩→酸素不要と改善、自宅近くの公園へ散歩ができる、庭でBBQが楽しめるレベルになりました。祖母の介護を10年経験した母でも安静時と労作時の酸素量の切り替えや医療用麻薬の取扱い等でかなり苦労したと思います。ケアマネジャーや訪問看護の方には父だけでなく、主介護者の母のケアまで本当によくして頂き、私も安心して仕事を続けることができました。父の介護にあたってはお互い余裕がなく、家族間に亀裂が入ることもありましたが、いつも優しい父が中心にいたため、最期まで皆で協力できました。亡くなる前日まで自分の足で歩き、食卓で日本酒を飲み、ハンバーグを食べ、家族で楽しい時間を過ごせました。最期の1日は意識がなく寝たきりの父でしたが1日中父の手を繋いでいる母の姿を見てとても誇らしかったです。最期の夕食は私達がベッドサイドで…『お父さん飲めんのに私達だけビール飲んでごめんね』と声をかけると頭を3回程浮かせてくれました。その数時間後に父は旅立ちました。夜中にも関わらず訪問看護の方は、直ぐに訪問してくださり、父との時間を振り返りながらエンゼルケアをしてくださいました。先日1周忌を迎え、改めて在宅を選んでよかったね‼と家族で話をしました。今回は、ご家族の最期を迎える場で悩まれている方への一案になればとご紹介させて頂きました。
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