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TREE通信 No.32

今月号では、先月号の「心(大脳辺縁系の偏桃体:情動と大脳皮質の前頭前野:感情)」に続き、「心を生む脳へのアプローチ」についてご紹介いたします。


1.「共感」で大脳辺縁系・大脳皮質を活性化!

大脳辺縁系で生まれる「心」は、瞬時に湧き上がる本能的なものであり、その人自身の性格を反映しています。性格は遺伝で約半分が決まっており、表面的な性格は変化しても、根本的な性格は一生涯あまり変化しないといわれています。しかし、様々な心の体験をすることによって、大脳辺縁系もアップデートされていきます。そのためには、様々な心(喜び・幸福感・怒り・恐怖・悲しみなど)を体験することが大切です。自分自身で体験することも重要ですが、共感することによっても大脳辺縁系、大脳皮質をともに活性化していくことができます。共感には、「情動的共感」と「認知的共感」があります。「情動的共感」は、大脳辺縁系の偏桃体などが主に関与し、特に自分の家族や恋人、友人など身近な人でより強く表れる傾向にあります。「認知的共感」では大脳皮質の前頭前野が発達することにより、他者視点で物事を考え捉えることができるようになります。様々な心の体験は、自分自身のリアルな体験に限るものではなく、他者の心への共感、または本を読む・映画を観ることによるものでも構わないのです。大脳皮質の前頭前野を活性化し、感受性を高め、心を豊かにしましょう‼


2.多彩な「人生経験」で大脳皮質を活性化!

心のコントロールには、大脳皮質にある前頭前野の機能が極めて重要となります。前頭前野の発達具合は、その人の育った環境によって大きく左右されることが研究によりわかってきています。それは、裕福な家庭に育ったか否かではなく、いかに多くの経験をしたかどうかということです。豊かな自然環境で育ったり、スポーツに打ち込んだり、多くの芸術作品に触れる機会に恵まれていたりすると様々な心のコントロールをしやすくなる傾向がみられます。こうした経験の豊かさにより、世の中には多様な人物がいて、人生には様々な出来事が起こり得ます。また、誰かに対して何か行動したときに、相手はどういった反応をするのか、自分はどういった気持になるのか。など前頭前野が学習を積み重ねていくことができます。大人になってからでも刺激を続けることで、トレーニングできるのです‼

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